建築家永田昌民設計の家見学会レポート(設計手法編)
幸い 住宅建築家としての永田先生の著書「大きな暮らしができる小さな家」や
過去の建築について触れた本が 我が家にはありますので
それらをかい摘んで 説明していこうと思います。

まず・・
前々回でも使った リビングの画像ですが 永田先生が考えるのに
「家は小さくていい」という思想があります。
大らかな箱をつくり 小さく区切らない。
だけど巧妙に区分けができており 溜まりと抜けが上手に生かされています。
天井いっぱいまでの窓や扉も 抜けや開放感を増幅するのに役立っているようです。
その天井いっぱいまでの建具を無理なく可能にするため
天井高さは 標準と言われてる2400や2350mmより少し抑え目の2200mm!
しかしながら 永田先生が設計者として長年の経験から導き出された 絶妙の寸法であり
人間が身体で感じる「寸法」としての心地よさ 動き 収まりを考えた上での数値のようです!
併せて 木製建具に拘った 自然素材ゆえのソリや経年変化も抑えられる寸法のようです。

で 同じリビングの画像ですが こちらは西日を防ぐために 永田先生が現場で追加された
スダレというか御簾を建具の中に収めた 風を通す建具です。
閉めていても 光をほのかに通し 隙間から微風が心地よく抜ける
自然の力を利用して心地よく住むための工夫がここにも隠されています。

そして ちょっとアングルが違いますが 洋室にも合う枠や縦横の桟を同じ幅で揃えた障子!
引き戸なので 閉め具合によって光や視線をコントロールでき 壁代わりの役割も果たします。
また 窓ガラス+障子で 空気層を二重にとり 夜に開口部から逃げる熱を抑える働きもあります。
左右に引けない部分は 雪見障子のように上下にスライドさせることで その役割を果たしてます。

そしてコチラは その3種類の木製建具が完全に収まる 壁面に設けられた収納部。

2枚×3種類で計6枚もの建具が収まり けっこうな厚みとなるので
ご丁寧に 閉めた際の扉まで設えられる細やかな配慮です。

そして ところどころに使われている丸柱!
圧迫感を無くし木製建具と揃えた材や色合いから 角度の付いた部分を違和感なく繋げています。
また この家は我が家ヒダマリハウスに搭載したOMソーラーではなく
20年経ってOMソーラーの特許が切れたため 空気集熱式ソーラーのオープン化に伴い
旧OM研究所は 永田先生をリーダーとした自然エネルギー研究所として新たな出発を始め
従来からの20年間2万棟ものOMソーラーで培われた 膨大な経験と実績をもとに
改良が施されたソーラーシステム「ソーラーれん」が使われています。

中でも 白く塗られた この紙管を利用したダクトが秀逸で
直径約20cmと OMの発泡ポリエチレン製PPダクトの直径30cmと比べ 非常にコンパクト!
また OMの床下まで意地でも途中で熱を逃さない という考え方と違って 途中放熱させる方式。
なので 触るとほのかに暖かく 薪ストーブの煙道と同じ考え方ですね。

コチラが ソーラーれんの制御版!
この日は2月というのに山陰では珍しく天気が良く
午後4時頃で 棟温度29℃ 補助暖房なしで 室温19℃のようです。
細かな説明は省きますが 操作は直感的に分かる仕様になっているようです。

そして 断熱材は我が家ヒダマリハウスと同じ 紙の繊維から作られた「セルロースファイバー」!
もとが紙=木質繊維からできた自然素材であり 調湿作用もあり
乾燥気味となりがちな太陽熱暖房であるOMソーラーやソーラーれんにはもってこいです。
細かく砕いた新聞紙等からなる木質繊維を 壁内にくまなく吹き込むので 隙間ができず
3%の隙間で断熱性能は3割下がると言われる住宅断熱性能で これ以上のものは無いでしょう。
こういった 見える部分見えない部分 空気質や温熱環境のバリアフリー
人間の身体寸法や 生理的に落ち着く落ち着かない といったことまでを含めて
トータルに考え抜かれ それでいて身の丈に合った 背伸びし過ぎず押し付けがましく無い
そんな住宅が 永田先生の住宅設計作法ではないでしょうか。
施工に関わられたOM工務店藤原木材産業さんも とっても勉強になったと仰ってました。
本当にいい建築が 山陰にできて良かったです。
施主さんには レポート公開も許していただき 感謝いたします。
空気集熱式ソーラーのOBである我が家ヒダマリハウスへも 是非お越しいただきたいものです。
そして またいつか 施主さん家族が住みこなされた頃 お邪魔してみたいものですね。
あと 余談になりますが 最近の景気発動やらで
太陽光発電にばかり世の中の目が向けられていますが
自然エネルギー研究所では 広い視野から 「もっと太陽熱を!」というコラムを書かれてました。
我が家ヒダマリハウスも 自腹で実践してる一人として応援していますので
ぜひ読んでみて下さい。結構 目ウロコですよ・・
by lancista | 2009-03-02 23:01 | Architect


