セルロースファイバー断熱材はエコな健康住宅の必需品!?
もともと グラスウール一辺倒だった 日本の住宅業界で
断熱材や断熱性能が 声高に叫ばれ始めたのは ここ10年くらい前からだと思う。
高気密高断熱住宅を謳い文句にして 外張り断熱とか2重通気工法だとかがもてはやされた。
そこで 石油系発砲断熱ボードが各種出てきて 確かに断熱性能が高いかもしれないが
住宅が火に包まれたときに 燃焼を増長する素材はアウト!有毒ガスの問題も気になる。
またグラスウールは結露してしまうと 水分を保持して吐き出さないため 木材が腐ってしまう。
日本の住宅の寿命が短いのは 間取りや設備が普遍性を持たないこともあるが
住宅自体が腐ってしまい 持たないという理由もあると思う。
という訳で 自然素材系断熱材で性能も良いもので考え絞り込んだのが
ウールブレスやサーモウールといった羊毛系だったのだが
市販のものは ポリエステルが20%とか30%含有されており
100%ウールで100mm厚とすると 結構な値段になることが判明。
さらには 隙間やコンセントといった細く切り裂いて充填していくという部分で
キチンと隙間無く充填されるかという施工上の不安。
何でも 3%の隙間があると 断熱性能は70%まで下がってしまうのだとか・・
そこで行き着いたのが 未配達新聞紙とかを再生し細かく粉砕し ホウ素をしみ込ませた
断熱材である セルロースファイバー!
ホウ素により耐火性能にも優れ 防虫やネズミの害からも防げ 撥水性能も優れている。
さらには 粉砕した細かい紙を充填するので 施工時の充填バラツキが少ないのも安心。
そしてもうひとつの性能が 前回も説明した調湿作用!
100mmの充填断熱で 40坪の総2階の家で
通常 約2トンもの重量のセルロースファイバーを 使用するらしい。
セルロースファイバーは 最大で自重の半分程度の含水率を持つまで飽和しないらしいから
約1トンもの水分を含むことが出来 吸ったり吐いたりすることが可能なのだ!
幾ら珪藻土がイイとか言ってみたところで 数mm厚の性能でしかない!それに高いし・・
こちとら120mmだ!さらに壁は全て透湿性能に優れたモノで施工してもらったので
結露の心配となる 水分を遮る箇所が無いので 水分は中から外へ 外から中へ自由自在!
室内側から (貝殻から生成した)チャフウォール壁塗材>石膏ボード>透湿シート>
セルロースファイバー>ダイライト>遮熱透湿防水シート「イーストルーフ」>外壁通気層
>ステンレス折れ屋根 又は ウェスタンレッドシダー板張り 又は 弾性ジョリパッド塗り壁
という仕様! このへんの詳細は またいずれ・・
ということは 昔の納屋とか干草が置いてあるとこが車の保存にも良いのと同じ作用で 車が
湿気でカビやサビになることもなく 乾燥しすぎて皮シートやダッシュが割れることもなく
非常に具合がよろしい というのでガレージにも導入したのが上の2枚の画像。
ビッシリと透湿フィルムが貼られた下は パンパンにセルロースファイバーが詰めてある!
家も同じ状況で 石膏ボードが貼られていない部分に その模様が見てとれる。
壁厚も 3寸5分105mmの柱や梁を 1階にやたら掃き出しの窓面が多いので
断熱と耐震性から4寸120mmとしてもらい 内寸120mmの充填断熱仕様とした!
こちらの画像は 2階夫婦の寝室だが 子供部屋と違い傾斜天井なので
そこは200mm1層のセルロースファイバーで屋根面の暑さ寒さが伝わらなくした。
効果はてきめんで 雨音やアラレの音も 鉄板(厳密にはステンレス)屋根なのに聞こえず
断熱性能もかなりのものである。
こちらは 2階天井裏の施工部分。屋根面裏の傾斜部分に100mmの充填断熱を施した。
さらに 2階天井裏のフラットな部分にも セルロースファイバーを吹き込むのだが
これは施工前の 何もない状態。
で コチラが同じアングルで セルロースファイバーを吹き積もらせた状態の途中ショット!
最終的には 100mmと言わず ここまで吹き積もらせていただいた。
OMソーラーは 夏場機械室である屋根裏装置内に給湯を取るため
熱い空気を取り込んでしまう!
その熱くなった機械室の熱を階下に伝えないためにも 天井裏断熱は重要なので
しっかり吹き積もらせていただいたのでした。でも平らに馴らしてあるかは不明・・
同様に 2階テラス下となる1階和室の天井裏も しっかり施工していただきました。
本当のテラス下には 既に100mmの充填でしてもらった上に
他の1階天井高2400mmのとこを 和室なので落ち着くようにと2200mmで天井高を抑え
その200mmの空間の部分にも念のため 吹き積もらせていただきました。
その甲斐あってか かなり快適です。
昨年夏も 炎天下に仕事を終えて帰って来ると爽やかに感じ 室内温度を見て30℃とか
結構あったので 湿度が低く保てるということは快適性能のひとつなのだと実感しています。
でも 梅雨は早く明けて欲しいですけどね・・
by lancista | 2008-06-29 22:10 | Hidamari house