5° Giro del DAISEN(フラミニア助手席体験~ゴール編)
県外遠征組の皆さんの多くが スタート地点である鏡ヶ成で残りの数十kmを止めて
車談義に興じる中 地元組がフルコース走らなくてどうする!? とのことで
本来のコースを目指して 再出発しました!
が そんな気持ちも束の間! 鏡ヶ成から3kmほどの地点にある
焼きドーナツ屋さん カフェテリア・アぺゼで 皆さんお茶してるではないですか!
私達トレヴィも さっそく車を停め お店に入ろうとしたところで
ランチア・フラミニア・スポルト と アルファロメオ・1900・スーペル・スプリントで
兄弟で参加のMさんらとご対面!
ご挨拶かたがた 車談義が深まってゆくうち 乗ってみます? との嬉しいお誘い・・
こんなまたとないチャンスを逃すはずも無く お言葉に甘えて(笑)助手席に乗り込みます!
先ほどの車談義でお聞きした ザガートのアルミボディは
オーナーの言われるとおり 1トン少々のボディの軽さを裏付けるように
スルリと発進して ビックリしました!
そして 鏡ヶ成方面への登りで エンジンの吹け上がりの軽さにノックアウト!
何でも このランチアV6は アウレリアに端を発する世界初のV6エンジンだそうで
この60°V6エンジンは アルファから移籍したビットリオ・ヤーノの部下が設計し
Vバンクの間に一本のカムシャフトを備えたOHV形式で 半球形燃焼室を備えていたそう。
あえて チェーンが両バンクのヘッドを跨ぎ フリクションロスが増えるSOHCやDOHCとせず
クランクシャフトから最短のチェーンで済む OHVとしたアイデアが
DOHCを得意とするアルファロメオから飛び出した ビットリオ・ヤーノという皮肉!
移籍先のランチアで 彼は本当にやりたかった理想のアイデアを具現化したと言います。
フリクションロスを嫌っただけでなく ヘッドが重く重心が上がるのも避けた絶妙のレイアウト!
そんな オーナーの薀蓄を裏付けるかのように
軽々と回りたがるエンジンは 横目で見た時には5000回転を指していました!
普段は 最高出力を発揮する5100回転を超え 5500回転までキッチリと回されるそうです。
それ以外に 助手席体験で分かったことは
こちらもアウレリアから受け継ぐ トランスアクスル・レイアウトによる
ギアボックス・クラッチ・デフといった 重量物を後ろに収めることで得られた
鼻先の軽さ!
この時代 当然のことながらパワーステアリングなど あるはずも無く
重く長い直6に ギアボックスその他がフロントにある辛さは 想像しただけでも分かります。
そういった 鼻先の重い他メイクスに対して
V6エンジン&トランスアクスルを備えた ランチアのアウレリア>フラミニアは
鼻先の軽さを武器に 長丁場のラリーイベント等で 活躍したと言いますが
ここ大山でも その魅力は 最大限に生かされていたようです。
そう言えば アウレリアからフラミニアになった際
スライディングピラー式前輪独立サスペンションを ダブルウイッシュボーン式に改め
ステアリングに伝わる微振動や 路面追従性が かなり改善されたとか。
飛ばしに飛ばした登りでは 助手席でも分かるほどの
エンジン吹け上がりの軽さと ボディの軽さに 痺れ
下りで流した際には GTカーの片鱗を見せた静寂性と快適さに心打たれ
少々の轍や段差では ビクともしないボディの堅牢さに舌を巻き
停まる際には 純正4輪ディスクを さらに効きを求めて
ボルボ・アマゾンの対向ピストンに換装したというブレーキにつんのめりながら
本当に恐れ多い ランチア・クラシコの助手席体験を終えたのでした。
エンブレムにある3Cとは スリー・キャブレターの略で高性能の証!
V型エンジンで エンジン長を抑え フロント・ミッドシップ気味に
バルクヘッドギリギリにまで後退した エンジン搭載位置はじめ
燦然と輝く ツインチョーク・ウェーバー3連装のキャブレター!
室内に目をやれば そこは紛れもないランチア伝統の意匠で 暖かく迎えてくれます。
ランチアの時代の先を行く先進性と そのユニークな独創性を
高度な次元でまとめあげた 60年代ランチアの至宝フラミニア!
さらに その中でも高性能なスポルト!!
そのフラミニア・スポルトを 抜群のコンディションで味わうことが出来
いつか乗ってみたかった クラシック・ランチアの片鱗を
垣間見せて下さったMさんに 心より 御礼申し上げます。
そして もう1台 同じ駐車場にたたずむのは
1958年製だという 1900・スーペル・スプリント!
チャーミングなお顔に 本気の片鱗が垣間見える 革製のボンネット・ストラップ!
後付けっぽくも見える小さなキャビンから伸びた 長めのリアフードと
小さなテールフィンを残すリアエンドが アメリカ車っぽくもあり
そんな美しさに 隠した牙が見え隠れする プレクシグラスの空気抜き!
イタリアの名門カロッツェリア ツーリング社のスーパーレジェッラという
細い鋼管フレームに アルミ外皮をまとった方式は
この時代 軽量化とデザインを高度にバランスさせた 最高峰の組み合わせ!
そして決め手は この個体が 当時のタルガ・フローリオとかを走った
ヒストリー付の本物だという事実!
さもありなん 室内に目を転じれば 当時を偲ばせるロールバーや後付けスイッチ等が
本物のオーラを出しておりました。
そんな個体の運転席から 笑顔で出て来たのは 白猫#35さん!
なんと フラミニア助手席体験に留まらず 運転もされていたとは 恐れ入りました。
白猫#35さん曰く
フラミニアが大人の洗練だとすれば スペール・スポールは大人のヤンチャだそうです。
ランチアとアルファを見事に表してるなぁ。
とまあ 夢みたいなひと時を過ごして 最終ラウンドはどこへやら・・(汗)
ここで休憩してた御一行は スタート&ゴール地点の鏡ヶ成へと直接戻って行きましたとさ。
途中 ブレてますが 排気音だけでもどうぞ!
ジーロ・デル・大山フラミニア&スペールスポルト.MOV
そして 再び舞い戻った鏡ヶ成では 美しい車達が
一汗かいたからなのか オーナーともども 朝にも増して輝いておりました。
第5回ジーロ・デル・大山 これにて私からのレポートを終わります。
遅い筆に付き合って 読んで下さった皆さん ありがとうございました。
参加された皆さん また来年もお会いしましょう!
by lancista | 2011-10-14 23:48 | Car life & event