東京出張オプション?(フルヴィア・クーペ1.3試乗編)

前回お伝えした ウィッチクラフト訪問による興奮の余韻(2日酔いとも・・:笑)も冷め遣らぬ
土曜日の翌朝 急な申し出にも関わらず
フルヴィア・オーナーであるRickmanさんの フルヴィアに乗せていただける運びとなり
わざわざ ホテルまでお迎えに来ていただきました。

その車 フルヴィア・クーペ・1.3は 1967年式の貴重なシリーズ1! 
1.3ラリーではないか?とのことですが 詳細は良く分かりません(汗)
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スカイブルーにエメラルドグリーンが少し混ざった 地中海風の明るいボディカラーが
シックなホテルの外観とマッチして その一角だけ 別の雰囲気でした!

昨年のランチには・・



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丁度 ブレーキトラブルで修理に入っていたとかで 車とは私もこの日が初のご対面!

オーナーのRickmanさんとは ランチでも色々と話しており
また ハンドルネームからも分かる通り バイクも熱心な趣味とのことで
共通する部分も多々あり すぐに打ち解けるのが この手の趣味の良いところですね。

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水平基調の低めのウエストラインに 小さめのキャビンが乗ったそれは
ランチア自社製デザインとのことですが 同時代の若きジュージアーロが描いた
ジュリアクーペの丸みを帯びたラインに対して ある程度角ばった直線を多様したライン!
全長4mを切る長さで このスリークさは見事です。幅も1550mmと 絶妙なサイズ!!

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わざと平面を強調したのかと思う どことなくトレヴィにも通ずるリアウィンドウや
コーダトロンカ理論で切り落としただけでなく 深く掘り込んだリアエンド等
モールやエンブレムも含めて 造形もかなり凝ってます!

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そして シリーズ1初期型ならではの シンプルながら味のあるフロント周り!
時代考証に忠実なフォグが アクセントを添えています。

やはり デザイナーの意図が忠実に再現されやすい 初期型のデザインは
その時代変遷によるマーケティングに左右されて 切った貼ったを繰り返した結果と違って
時代を超越する 素の美しさを秘めているように思えますね。

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フルヴィア・ベルリーナにも通ずる リアモールとテールランプの複雑な造形が
パッと観で分かり難い ランチアの難解さを象徴してるようで
美意識を試されてる気がしますね(笑)

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室内に目をやれば ウッドで占められたダッシュボードが目に入り
ナルディのウッドリムに換えられたステアリングと 調和を見せています。

ギアボックスから直で伸びているであろう 長いシフトレバーは FFであることを象徴する
ほぼフラットなセンターフロア前方から 真っ直ぐに伸びています。

黒のビニールレザーで覆われたシートは バックレストの無いこの時代特有のものですが
平板に見えながら なかなかのホールドでした。

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そして 驚いたのがこのエンジン!

写真を撮っている間中 ずっとアイドリングを続けていたのですが
マイトレヴィでも導入している 123ignitionが仕込まれたデスビもあって
700rpmで かなり安定したアイドリングを長時間続けていました。

オーナーも 高速や街中の渋滞でも 不要なブリッピングが必要なく 疲労が減ったとのことで
オリジナル至上主義でない私達(笑)と 普段使いにもガンガン走る旧車オーナーには必須だね!
とのことで 意見が一致したのでした。

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ホテルのある場所を抜け出し レインボーブリッジを渡り お台場へと向かいます!

軽やかに加速していく様は とても1300ccの排気量とは思えないほど!!
13度V型4気筒エンジンの1298ccは 77mmのボアに対して69.7mmというショートストローク!
ベルリーナ2Cの時も感じましたが 吹け上がりも軽やかで それでいてトルクも細くない!
諸説ありますが 圧縮比9.0なら 86PS 11.5kgmで 900kg前半の車体を引っ張りあげます。

また 高速の合流といった曲率のきついコーナーでも FFらしく前輪の接地感を伴ったまま
鼻が遅れることなく スッと素直に入って行きます。
リアの板バネも 滑らかな路面だったのもありますが 暴れることもなく柔らかく深いストロークで
優しく乗員を包み込み 高速の継ぎ目でもタンと一発で収まる しなやかさです!

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ここで 運転を代わってもらい いよいよ私の人生初体験となるフルヴィア試乗の始まりです!

簡単なレクチャーを受けて 走り始めますが 拍子抜けするほど 普通に走り出しました。
1300ccで 高回転に保たねば 流れに乗れない!なんてこともなく 素直なトルク感。

オーナーも手に入れてまだ半年足らずとのことで 4000回転をリミットに踏んでみましたが
そこまででは カムに乗るとかレスポンスの鋭さとかも ちょっと分からず仕舞い。。。
たぶん その先の回転数に フルヴィアV4の真の魅力が潜んでいるんだと思います。

しかしながら 現代のスタンダード系タイヤとは言え 175/70-14のタイヤを履くこの個体は
当然パワステも無いのに 重いとも何も思わせず 素直な走り始めの軽さで応え
とても 1960年代のFFとは思えぬ 身のこなしの軽やかさと
現代ランチアにも通ずる インフォメーションたっぷりの手応えで返して来ます!
1300までは ポジティブキャンバーなのが効いてるのかも?
1600HFだけは ネガティブキャンバーで そんな甘いものじゃない とのことです(汗)

ブレーキも ノンサーボながら 標準で備えられた4輪ディスク故か 違和感なく止まります!

私が以前乗っていた 1968年式のべレット1600sportsを 数年間かけて
足を ステージⅡスプリング1巻き半カットやら ビルシュタインやら 色々と煮詰めて
ブレーキを 強化パッドやらステンメッシュホースやらを奢って
試行錯誤を繰り返したレベル以上が いとも簡単に標準で それ以上のボディ剛性を伴って
純正のままで 1967年式の このフルヴィア・クーペでは体現されていました。
 
とても 1967年式で43年も前の車とは思えぬ完成度で それは我々に迫り
その事実を 普通に乗れるじゃん!!と返してしまうあたり 改めて考えると凄いことなのかも?

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再び オーナーへとステアリングをお返しし 助手席でレインボーブリッジを見上げながら
やっぱ ランチアって素晴らしいなぁ と帰途に着いたのでした!

お忙しい中 わざわざ駆け付けていただいた上 試乗までさせて頂いたRickmanさん。
この場を借りて 改めてお礼申し上げます。

エンジンも 素性が判明し レッドゾーン解禁となった暁には 再び運転させて頂ければ
今回のジキルの面のみならず ハイドの面も 垣間見れるかも知れません。
その時は またよろしくお願いいたしますね(笑)

てなわけで 私の人生で 何故か今まで運転していなかったフルヴィアを運転させてもらい
東京出張オプションの 次なるミッション?を終えたのでした。東京編 まだまだ続きます・・

by lancista | 2010-01-30 12:53 | Car life & event  

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